無線機歴史博物館


ハリクラフターズ社 SX-117受信機
SX-117 ハリクラフターズ社 SX-117受信機

 1963年発売当時の価格:500ドル
 トヨタ「パブリカ」が1000ドル/36万円カーと言われた時代です。(1$=¥360の固定レートの頃です)
 当時でも、HT-44という送信機とトランシーブ運用ができる設計でした。
 まだ、メカニカル/クリスタルフィルターが高価な時代でトリプルスーパー構成で、50KHzのLCフィルターとTノッチが採用されています。
 日本では、スター(後に八重洲無線に合併された)SR−700が、これをまねた構成で作られました(1965年)。
 余談ですが、むき出しのバリコンによる一般的なLCタイプのVFOなのですが、意外というか不思議というか、その安定度は非常に良かったです

 ちなみに1965年はまだ日本ではAM全盛で、SSBでオンエアすると珍局扱いされた、今では考えられない時代でした。

 また、自作が中心の時代で、メーカー製品を持つことそのものが贅沢な時代でした。
 トリオ(現KENWOOD)からは、9R-59/TX-88Aのベストセラーに続き、SSB機JR-300S/TX-388Sが発表された頃です。
 八重洲無線からは、FL/FR-100Bシリーズが当時最高級のマシンとして発売されており、無銭家にとっては本当に高嶺の花でした。
 SSBトランシーバとういうものはまだ国内では市販されていませんでした。
 井上電機製作所(現ICOM)からは、50M/AM、144M/FMポータブル・オールソリッドステート・トランシーバが新登場した頃です。
 当時の50/144Mトランシーバーはまだまだ真空管式(特にファイナル)が多く、ピィーというインバーターの音が聞こえる電波が多かった中(まだまだタクシーあがりの無線機が活躍していた)、オールトランジスタという最新の技術を引っ提げての登場でした。

                                            資料提供:JA4FUQ


ナショナル社 NCX-3トランシーバー
US National社
 NCX-3 トランシーバー

 1963年発売
 80/40/20m 3バンド
 SSB/CWで出力100W
 AMで出力30W
 1μV入力S/N10dB以上
 スタビロ、ファイナルチューブを含めて18球6ダイオードで構成
 車載運用も意識した電源別タイプ
 (車載ステーオプションあり)
 シングルコンバージョン方式です
 外部電源にはスピーカーを内蔵
 

 VFOは、80/20m時と40m時では発信周波数範囲が切り替わります
 IFは、5.2Mhzで、4素子クリスタルフィルタを内蔵しています
 受信機としての構成は、高1中3のシングルスーパーです
 ダイヤルはフリクションドライブ、ヒースキット等と同じです
 原始的な方法ですがダイヤルタッチはなかなかのもの、1回転約25KHzです
 当時、斬新なデザインとシンプルな回路、構造に感心した覚えがあります
 この後、5バンドのNCX−5 ハイパワータイプのNCX−500などが発売されました
 生誕40年を超えますが、SR-2000同様、ちゃんと動作してくれます

                                               資料提供:JA4FUQ


ハリクラフターズ社 SR-2000トランシーバー
SR-2000  この、SR-2000は、当時ニックネームで「ハリケーン」と呼ばれていました。
 たぶん市販では最高の出力(1KW)をもつHFトランシバーでしょう。
 ファイナル電圧は、なんと2800Vです(8122/セラミック管パラレル)。
 1960年代後半の生まれですが、ちゃんと完動します。
 USから持ち帰ってこられた方からQSYしてもらって、頑張ってリストア/リメイクしました。
 私の思い出ですが、DXに目覚めた頃(1969年頃)、ヨルダンのフセイン国王(お亡くなりになりましたが)が、このマシンを使ってオンエアされていたことを今でも覚えています。
 SX-117との組み合わせ・・・トランシーバー+受信機というのが使いやすかったですね。(言うほどオンエアしていません。レストア最中はオンエアしてましたが、できあがるとやめてしまう悪い持病の持ち主なもので・・・)
SR-2000内部 SR-2000の上ブタを開けてみると・・・・
 アメリカ製品はシャーシからキャビネットまで全てアルミが採用されていて、30年以上たった今でも大変きれいですし、高周波的にも安定です。
 2KW入力のファイナル・・・セラミックチューブ・パラレルの強制空冷のためのブロアが見えます。

 このマシンだけは、なぜか?手元に残しています。

                        資料提供:JA4FUQ 


コリンズ社 SSB/CWトランシーバー
世界最初のトランシーバー KWM-1

あの 昔 なく子も黙る コリンズ社製
HF(13〜30MHz)トランシーバ 

KWM-1

 50年代後半の製品(1958年製)で、私の生まれとそう大差ない! 今でも完動します。

 当時このトランシーバを買うお金でキャデラックが買えたとか!?

 下記の、KWS-1/75A4のあとに発売された世界で初めてのトランシーバー(一体型送受信機)です。

 1バンド100Khzで、VFOは、PTO バンド切替は、パネル左上の水晶切替によります
 ドライブ調整は、スラグチューン、ファイナルのプレート/ロード調整は、πL型

 その作りようは、このあとに発売されたKWM−2以上に立て込んだもので、良くもまぁここまでと感心します。

 電気的/機械的に当時のお手本とされたマシンです。

 当時の電源(516F2)/パワー計・フォーンパッチアダプタつきのコンソール(312B2)/スタンドマイク(SM-2)一式、純正がそろっている貴重ものでもあるでしょう。 

 大事にしてもらえそうな方が現れたので、ついに嫁に出しました(老後の楽しみにしようと、ずっと手元に置いていたのですが、涙をのんで!)。

              資料提供:JA4FUQ
 さすが、金属部はアルミでとても綺麗、それも硬質・高品位なアルミニウムで、シャーシからケースに至るまで全て
 Collins十八番のPTOが中央に見えます
 そして、同じくお得意のスラグチューン機構が、その左手に見えます
 左下のアルミBOXは、水晶切替ユニットで、ここに装着した水晶で使用バンドが決まります
 3.1Khzメカフィルは、左上のIFTの右上、楕円状の板で押さえられています(9PのMTソケットに装着)
 KWM-2では、ファイナルケースに収まっているドライブ段6CL6は、本機ではケースの外(PTOの上、シールドケース入り)に配置されています


こちらは最新というか最後の・・・と言うか
HF-380

KWM-380は、アマチュア無線仕様
本機は、プロ(軍)仕様です
ケースは,オールアルミダイキャスト!!
COLLINS社としては、最後のHFトランシーバー(少なくてもアマチュア無線を意識したものとしては)となりました
あとの市場は、日本製品の独断場!!


コリンズ社 SSB/CW送受信機
送信機 KWS-1

かの昔『泣く子も黙る』と言われた コリンズ社製(高嶺の花どころか神様仏様状態!)

 今でも完動します。
 レアものです
 基本に忠実というか、贅沢な余裕の設計・・・
 フィルターは3.1Khzと高帯域で、音質の良さが最大の人気
 電気的/機械的に当時のお手本とされたマシンです           

 こちらは、コンソール下側・・・電源部の内部です
 高圧整流も真空管です

 入力1Kwの電力をまかないます
受信機 75A-4
 音質、AGC、安定度などとても40数年前の設計とは思えません
 過去聞いた受信機の音では、この上はありません(AGCのための独立IFアンプの採用など功を奏しています)
 あの時代、日本は・・・・
 日本では、AM全盛時代
 それもまだまだ水晶制御が主流の時代でした
 そう考えると、アメリカの技術はいかにそのレベルが高かったか!!が実感されます
 戦争して勝てる相手では無かった!!
 
 国産では、地○号とか呼ばれる受信機が、当時軍用で使われていましたが、その差は歴然・・・きっと50年近くたった今、実用になるものは皆無・・・錆びて腐っていると思います


HeathーKit社 SB-104

ラジオキットから園芸用品、飛行機のキットまであったHeath−Kitの組み立てキット(今はもう存在がない会社になりました)
70年代は、SONYトレーディングが国内の輸入代理店でした
SB-104は、HFオールソリッドステートのトランシーバーで、SBシリーズ最後の機種となりました(SB-102は、キットを組み立てて使っていた:JA4FUQ)


                資料提供:JA4BMV


ヒースキット社  HW-9
HW-9  こちらは、ちょっと新しい。
 自作マニアが喜んだあのヒースキット社の HF QRP CW トランシーバー(3.5〜30M 5W入力)です。

 一時は飛行機のキットまで出していたヒースキット社も今は消えてしまいました。
 自分でモノを作る喜びを感じられる方が少なくなったのでしょう、いまは使わせてもらっている方ばかり?!、手っ取り早く高性能なモノを使いたい方が多いようです。
 さて、本機の受信感度はいまいち・・・でも小型軽量でシンプル、重装備とは違った楽しみがここにはあります。
 フリーマーケットで、新しいオーナーに嫁入りしました。 

                        資料提供:JA4FUQ


HenryRadio社  2K-D Clasic
3-500Zパラレルの標準的な1Kwリニアアンプ
本機は、電源内蔵(一体)型のデスクトップモデル
空冷にチムニーが使われた本格的な設計
ケース・ボディは、全てアルミ製と徹底した高周波対策がとられています
でも、HenryRadio社の製品では、コンソール・タイプ(下段の4K−2のような形状)が、圧倒的に高い人気を誇っていましたね!


                 資料提供:JA4BMV


こちらはPRO仕様、このスタイルに人気があった!!
HenryRadio社  4K-2
整備を続け、外観も傷無く現在も完動品です
マニュアルまできっちり保管されています

5CX1500が使用されています
HenryRadio社が世界に名を売った名品!!
生まれは1960年代のはず・・・


                資料提供:JA3AJW

メンテナンスのためにに開いたときの
写真をいただきました

この頃は、お得意のバリLではありませんね
それでも高調波の少ないπL型の設計です

電源部には、スウィングチョークが見えます
交流周波数に同期を取って、高圧電源電圧を
安定に供給するための工夫のひとつです

機能美にあふれています


TRIO(現KENWOOD) TX-40S 7Mhz送信機


 まだブランドもKENWOODを使う前、正真正銘?のTRIO時代の製品
 JR-500S という受信機とトランシーブ操作の出来るモノバンド送信機(本機は、VFOを持っていますが、簡易な糸かけダイヤルです JR-500Sは、ダブルギアの本格的な1Khz直読のメカニカルダイヤルでした)
 7/14/21Mhzの3タイプが販売されました
 また、キットも用意されていました(電源外付き)
 構成は、VFOにTrが2本、あと11球の真空管によるもので、ファイナルは、当時のTRIOにおける主流・・・松下製S2001(6146上位互換)です
 このシリーズ最大の特徴は、SSBの発生にPSN方式を採用
 当時から主流は、フィルター方式ですが、コストパフォーマンスと音質の良さが売りのものでした
 多分、国内メーカー製でPSN方式を採用した送信機は、このシリーズだけではないでしょうか

 左下の基板上にフィルター(メカフィル、クリスタルフィルタの類)が見つからないでしょう!!



                  資料提供:JA3AJW



井上電機製作所 IC-21 144M FM固定機
IC-21  ICOM 当時は 井上電機製作所と呼ばれていました。
 144MHz帯 本格的固定機 第一号です。

 ヘリカルキャビティ採用で、混変調の強く、当時ポケベル(150M帯)送信所の近くで、まともに使えるのは、このトランシーバー(と、モービル機のIC-20)くらいでした。
 IC-21  144M FM固定機  これも名機のひとつです。

                            資料提供:JA4AS



1955年製 警察予備隊使用CW送信機



 USA送信機を、日本にてノックダウン生産したもの
 警察予備隊(現自衛隊)で使用されたもので、筐体は弾薬箱!!

 懐かしいFT-243型の水晶発振子が見えます
 6J5、6V6(メタル管)  3〜7Mhz用

 なんだかバリコンばかりが目に付きますね

 アンテナはショートワイヤー・・・・電圧給電ですから、ネオン管が一番明るく点灯するところに調整すればそれでOK

 受信機も同じ筐体で作られており、こちらは1T4等の電池管が使用されています

 電源は「手回し発電機」・・・・GRC−9と同様
 回す人は、ちょっと大変!!


                            資料提供:JA3AJW



1945年前後?製 I&Gバンド超再生受信機
BC-1066-B

 電池管VT-237(エーコン管)2本とVT-148(2極5極管)複合GT管で構成される超再生(スーパーリゼ)方式です
 本来付いていると思われる再生調整VR(クエンチ調整)は、ありません
 もし、これが付いていれば、オールモード受信が可能かも・・・・こう書いても今の方には分かりませんね
 再生調整・・・発振直前までゲインを上げることで感度を上げ、また少し発振気味にすることで、結果としてビートをかけ、CW/SSBの受信が可能になります
 

                                 資料提供:JA3AJW



今となっては懐かしい真空管です
TUBE1  サブミニチュア管                    6U8
 HFトランシバーのファイナルでおなじみ      6JS6
 そして みんな 一度は使ってみたかった 4CX1000

 その大きさを比較するだけでもおもしろい・・・・ 
TUBE2

当時のハイパワー党が使った3極管

 受信管:6U8  50Wファイナル6JS6と
 その大きさを比べてみてください。
 右端は、813です

 また、その形もなかなかユニークです。

                         資料提供:JA4AS


グリッドディップメータと聞いて何か判りますか?
LDM-810 写真は リーダー LDM−810

 真空管式のグリッドディップメータです。

 何か自作するには、テスターの次にぜひ欲しかった測定器です。
 なにせ自作しないとモノが無かったのですから!!
 いわば、高周波の「物差し」です。
                             資料提供:JA4AS


これぞグリッドディップメータ界の神様的存在
 デリカ(三田無線研究所)製のもの 

 今でも、現役をしているそうです。
 コイルも欠品無し!!

 1957年製  6C4と、6H6の構成
 目盛りが手書き・・・・1台1台手作りというのがこのメーカーの売りでした
 確かに正確でした!!
 この手作り精神は、ソリッドステート式の時代まで引き継がれました(トランジスタ式のDM-215は青電舎でも現役をしています)



                 資料提供:JA3AJW


ディップメーターに続く、無線家必須の物差し
 BIRD製の通過型電力計 

 その名も、HAM mate・・・・
 アマチュア無線家用に作ったものと思われます
 一般には、プラグインタイプのBIRD43が有名ですね

 製造年代は不明です
 50〜150Mhz帯で、40/400Wの2レンジ
 進行波と反射波を切り替えて測定します
 
 筐体は、アルミの鋳造品で、結構重たいものです
 現役をしています



                 資料提供:JA3AJW


    
JA4FUQ 当博物館の館長です(1954年生まれ)

 中学生の時、国鉄で片道3時間かけて広島で受験し、免許を取得してから40年を過ぎました。
 上級アマは、一泊二日で受験しました。(今では、考えられませんね!)
 3.5MHzAMからスタートし、21MHzでDXに目覚め、我が家のカラーテレビ購入のはずであった予算を、無理矢理SSBトランシーバーにしてもらい(おかげで我が家のテレビのカラー化は、ずいぶん遅れた!!)、学校の勉強もそこそこに無線三昧をさせてもらった親不孝な息子も、40年も経った今では、孫まで出来てしまいました。
 いつの間にか、その無線に関連したこと(アナログ技術)で飯を食うようになっていました。
 現在は、年に数回?ですが、 IC−756PROV + 4X150Ax2自作リニア + 5素子4バンドアンテナで、7〜28MHzに、ON−AIRしていることがあります!!

写真による無線機歴史博物館
 自身、メーカー製無線機としては、9R-59D/TX-88D、TS-500、FL/FR-DX400、SB-102、HW-9、75A-4、KWM-1、SR-2000、SX-117、TS-520、TS−830、TS−930、TS-940、NCX-3、IC-756 などを使わせてもらいました(ほかにもあったと思いますが、良く覚えていない!!)。
 余談ですが、全く手を入れなかったのは、TS−940、IC−756PROVくらい・・・あとは、多かれ少なかれ、なにがしか手を入れて遊ばせていただきました(ものによっては、原形をとどめないくらい・・・)。
 また、一時の商売柄、周囲の方のリグも目にする機会が多かったもので、その時撮らせてもらった写真、いただいた写真など、こちらでご紹介させていただいております。(コリンズSライン、DRAKE 4/7ラインなど、あまりに高名なものはピックアップしておりません/筆者が余り興味を持っていない!?)
 ご協力いただいた方の中には、すでにサイレントキーになったOMさんもいらっしゃいます。
 本博物館ですが、なにか写真など入手できたタイミングでもって、不定期に更新していきます。

 最終更新日2010年 5月15日

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