治療
嘔吐する時間は数時間から約一日程度です。必ず止まってきます。嘔吐止めを使用し嘔吐が止まるのを待ちます。この間、水分も与えません。絶食が最もよいのです。(この時期は与えても吐くだけですから。)吐き気が止まり、飲めそうになったらスプーンで小量ずつ、お茶、アクアライト、ポカリスエット、塩分で味付けしたコンソメスープ、あめゆなどを交互に与えます。みかんやリンゴのしぼり汁もよいでしょう。これで嘔吐がなければこれからどんどん吐くということはなくなります。こうすれば脱水症を防ぐことができます。
しかし、吐き続けたり、下痢がひどくほとんど水分も十分に取れない場合には点滴をします。ほとんどの場合200〜500ccほどの点滴で良くなりますが、ひどい場合は入院が必要になることもあります。
嘔吐が軽い場合はOS−1,アクアライトORSなどの経口補水液、あるいはみそ汁やリンゴジュースなど与えていきます。
これらは脱水を予防するために開発されたものですが、かなり塩分の濃度が高く、しょっぱい感じがしますが、脱水気味の子は飲むことができるようです。
逆に嘔吐もなく、下痢もなく、普通の硬さで便が白くなるだけのこともありますが、この場合はほとんど治療は必要ありません。
食事の与え方
嘔吐が止まり、下痢の回数が減り、水様から泥状へと便性が好転するにつれて、うすめたミルク、重湯、三分がゆ、ポタージュも与えることができます。
便と同じ軟らかさのものをたべさせるとよいでしょう。
おかゆ、白身の魚、よく煮たうどん、軟らかい食パンなどよいでしょう。
《食べていけないもの》
乳製品、冷たいもの、油もの、糖分の多いもの、生野菜など繊維の多いもの
卵や豆腐などは便が固くなれば与えてよろしい。
◎下痢が治まると、すぐに体重は回復します。栄養は控え目でも早く下痢をなおすようにしましょう。下痢が長びくときは乳糖不耐症のことがありますのでご相談ください。
おふろ
下痢がひどく、元気のないときだけ中止します。おしりはお湯でよく洗ってやります。
流行性嘔吐症(少し大きな児の場合)
同様のウイルスに感染しても、だいたい5〜12時間くらいまでの嘔吐だけで終わることが多く、下痢をあまりしないのでこのように呼ばれます。年長児の場合、ロタウイルスではなくて、ノロウイルスが原因のことが多いのではないかといわれています。次の日にはだいたい元気になります。嘔吐のあるときにはものを与えないようにし、嘔吐止めの坐薬などを使って嘔吐が止まるのを待ち、止まったら食事療法を始めます。このとき尿中にケトン体という物質が出ている場合は元気がなくなっている証拠なので点滴をしたり、糖分の入ったもの(あめ、チューインガム、砂糖水など)を摂取することでだいたい良くなります。
その他の注意点
@便を扱った手から感染しますので、おかあさんも子どもも頻回に手を洗ってください。特に食事の前、便を処理した後などはきちんと何回も石けんと流水で手をしっかり洗いましょう。
A乳児で嘔吐が頻回でおなかが痛そうに泣くときには腸重積のことがありますので、素早く診察を受けましょう。
B予防という点では母乳で育てた子どもの方がひどくなりにくい傾向があります。
C中枢神経系の合併症として、ロタウイルス感染の場合にはけいれんを起こすことがあります。無熱性、あるいは有熱性で見られ、1日複数回起こすこともあります。しかし、これは良性の経過を取り、下痢に伴う良性のけいれんと考えられています。